だが、個人的に今年は、「ボウズだけは絶対にやらない」と決めている。その執念を海にぶつけ続ける。

ようやく……キビレ到来

潮の上げ切りが22時にくる日だったので、「もしかしたらその前後に時合いがあるかも」とは思っていた。ここまで反応が救いと、その予感だけが精神的なよすがになる。この日では何をどうやってもワームではダメみたいなので、表層のプラッギングにチェンジした。なるべく壁際を通して、壁タイプのカサゴでも食ってくれたら上等だ。それで上がれる……。

大阪南港ライトルアー釣行でキビレ2尾をキャッチ 真夏の高水温期に突入かキビレ、やっと釣れた!(提供:TSURINEWSライター井上海生)

そう思っていると、なんということか、小キビレが反応してくれた。こんなものは普段ならば「釣り捨てる」という感覚だが、この日は本当にキスしたいほどの喜び。しかも、ルアーをチェンジして、2連発。やはり22時周りに時合いがきたのだ。でも私にはもう釣るだけの余力がない。退くことにした。

大阪南港ライトルアー釣行でキビレ2尾をキャッチ 真夏の高水温期に突入かメタルジグヘッドにもキビレ(提供:TSURINEWSライター井上海生)

この年、これほど疲れた日もない。ちなみに周りにいるアングラーは、生エサでカサゴの1つや2つが限界みたいだった。みんな口をそろえて、「暑すぎてあかんね」と言い合っている。本当にその通り。

高水温期の絶望感が漂う……

キビレを釣ったとき、「ようやるね」と横にいた先輩アングラーが労ってくれた。ちなみにその方はタコ狙いだったらしく、足元にタコジグや、沖に生エサをドボン。「まーったく釣れない。この2週間でダメになっちゃった」とのこと。初夏はポンポン釣れていたらしいが、そんなタコもそろそろ終焉らしい。

高水温期の絶望感をモロに味わったかたちとなった。これから何を釣り定めていこうが、頭を悩ませることになる。まず――潮通しの悪い大阪湾奥は、もはや捨てるしかないか?最近は垂水漁港や泉南のデイ・ライトロックが良いので、そっちを新しい釣りとして極めていく方がいいかもしれない。私にとって日中の釣りは、これまでのバリエーションでは薄かったものだ。この機会にバリバリ攻めていくか。