また、最大20,000時間の寿命を実現する水素燃料システムによって、運用・保守のコストを削減できるのもポイント。今後JEKTAとZeroAviaは緊密な協力を通じて、インバーター、その他の電子部品、水素タンクなどを含む統合型の燃料電池発電システムを開発し、認証を取得する予定だ。
19人乗りのテストベッド航空機で試験飛行を実施
2017年設立のZeroAviaは、さまざまな市場に対応するべく水素電気推進・燃料供給ソリューションに注力している。2025年末までに9~19席の航空機で300マイルの航続距離、2027年までに40~80席の航空機で最大700マイルの航続距離の達成を目標に掲げている。
ZeroAviaはすでに、 水素電気エンジン「ZA600」のプロトタイプを19人乗りのテストベッド航空機に搭載した試験飛行を実施済みだ。今年4月のリリースでは、最大20席の航空機に向けたZA600の認証作業が進行中であると明かした。
現在、ZeroAviaは世界的な水素インフラプロジェクトにも関与しており、約20の空港と提携して、ルートの採用をサポートするのに必要な運営コンセプトと水素燃料補給エコシステムを模索中。また、オンサイト水素生成用の電解槽、水素パイプライン技術、空港環境での航空機燃料補給装置のテストも先駆的に行っている。
JEKTAのCEOであるGeorge Alafinov氏は、これらを効率的な地域水陸両用航空ネットワークをサポートする重要なコンポーネントと見ているという。今後PHA-ZE 100への燃料電池発電システムの最適な設置と、オペレーター顧客とのインフラ開発の検討といった両面でZeroAviaと緊密に協力する意向を示している。
(文・Haruka Isobe)