■発生確率に2つの計算方法

南海トラフ地震は、30年以内の発生確率が「60~70%」と予測されているが、古舘はこの確率について、計算方法に疑問を呈する。

国内の地震の発生確率の計算については、全国で統一された「単純平均モデル」が使用され、過去の地震発生間隔の平均から確率を割り出している。

しかし南海トラフ地震の予測だけは「時間予測モデル」という別の計算方法を使用。過去の地震の時期の間隔を推定し、次を予測するもので、大地震の後では次の地震までの間隔が長くなり、小規模な地震の後は間隔が短くなるとする理論だ。

ただ、この予測の基となっているのが、高知・室津港の1ヶ所のデータのみであること、江戸時代の記録など、古文書の正確性もあり、研究者の間でも疑問の声もあがっているという。