東京都は2024年6月、夏ごろから独自のマッチングアプリの運用をスタートすることを発表。昨年12月から都の交流イベント参加者を対象に先行利用を開始していました。
もっとも「官製婚活」の必要性や税金の使い道について疑問の声も上がっています。そこで今回は「マッチングアプリで出会って、結婚する人」は本当に多いのか、解説します。
ネット系婚活サービスを通じて結婚した人の割合は1割前後(2020年)
まず国内のマッチングアプリや婚活アプリの利用状況については、消費者庁が詳細な資料をウェブ上に公開しています。
まず消費者庁が参照している株式会社リクルート「婚活実態調査2021(リクルートブライダル総研調べ)」によると、ネット系婚活サービスを通じて結婚した人の割合は2020年で11.1%。ちなみに前年は6.3%。
2010年ごろはネット系婚活サービスを通じて結婚した人の割合が1.6%だったことも明らかにされており、「ネット系婚活」で結婚する人の割合は飛躍的に伸びていることがわかります。
マッチングアプリの年代別利用率は?(2021年)
同じく消費者庁が参照している三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、マッチングアプリを「現在も利用している」という人は20代が12.3%、30代が8.4%、40代が3.6%。さらに「過去3年以内に利用したことがある」という人を含めると、20代が28.9%、30代が16.7%、40代が6.8%という結果に。
20代~30代にとって身近な「出会いのアプリ」であることは間違いなく、そのアプリの利用者から一定割合で結婚にいたるケースも間違いなくありそうです。
民間調査ではマッチングアプリの利用率はより上昇傾向
先の2つのデータは消費者庁が公表しているものですが、ややデータが古い感は否めません。より新しい、民間調査ではマッチングアプリの利用率はより一層上昇傾向です。
MMDLabo株式会社が運営するMMD研究所の「2023年マッチングサービス・アプリの利用実態調査」によると、20代の恋人探しの出会いの場の3位が「マッチングサービス・アプリ」。割合は23.5%となっています。
全世代で「職場や学校での出会い」「友人や家族からの紹介」が、出会いの場の1位・2位を占めています。そして20代だけが3位に「マッチングアプリ」がランクインしているのが特徴的。他の世代では3位は合コンやお見合いです。
つまり20代にとって、マッチングアプリは「合コン」や「お見合い」を代替するものとなっている可能性があります。職場や学校での出会いや友人の紹介があまり望めない状況にある若者にとっては、マッチングアプリは一番身近な出会いの場とすら言えるかもしれません。
ちなみに筆者の知人には「フリーランス」のため職場での出会いが望めず、マッチングアプリを通じて出会いを得てそのまま結婚した男性がいます。次の章で簡単に、そのエピソードをご紹介します。