これらの衛星の名前は、シェイクスピアやアレキサンダー・ポープの作品に登場する人物の名前が付けられています。

衛星の組成は主に氷と岩石が混じったものと考えられていますが、天王星の衛星の総質量は天王星の質量の0.01%とかなり小さいことが特徴的です。 この点については、天王星の形成過程で巨大天体との衝突があり、その際に生じた円盤から衛星ができたことが理由の一つとして考えられています。

天王星の探査計画

天王星を探査機が訪れたのは、1986年に惑星探査機ボイジャー2号が接近したときの1回だけです。私たちはこの奇妙な惑星についてあまり多くを知りません。

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Artist’s concept of Voyager in flight. Credit:NASA/JPL

しかし、そんな状況が変わるかもしれません。

NASAの新しい10年計画「Origins, Worlds, and Life」では、天王星の探査ミッションが最優先プロジェクトとして提案されているからです。

提案されているミッションは「ウラヌス・オービター・プローブ」と呼ばれ、天王星の大気に突入する探査機と、天王星の周回軌道に投入される探査機の2機で構成されます。

天王星本体については内部構造、磁場、大気組成、環の調査などが計画されています。

また、28の衛星の観測・調査も重要な目的です。特に海が存在する可能性が指摘されているミランダ、アリエル、オベロン、ティタニア、ウンブリエルの5つの衛星が重点的な観測対象とされています。

天王星探査は長年の懸案事項でしたが、今回の10年計画で最優先事項に位置づけられ、2030年代の実現が期待されています。

液体の海があり、生命の可能性がある衛星としては、木星の衛星エウロパや土星の衛星エンセラダスが知られていますが、天王星の衛星にもそのような衛星があるかもしれません。これからの探査ミッションに期待したいですね。

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