つまり、天王星内部の超高温・超高圧下では、メタン(水素と炭素の化合物)から作られたダイヤモンドの雨が実際に降っている可能性が高いと考えられています。

天王星にも環があった

天王星の環

天王星の環は1977年に、恒星が天王星に隠される現象の観測中に偶然発見されました。

天王星に隠される前後、ほぼ同じように恒星が減光されたことから、環の存在が明らかになったのです。この現象の観測からは5本の環が見つかりました。その後のボイジャー2号やハッブル宇宙望遠鏡の観測により天王星には13本の環があることが分かっています。

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天王星の環 Credit:NASA/JPL

天王星の環の特徴

天王星の環は木星や土星の環に比べてはるかに暗く、質量も小さいです。環が暗いのは環を構成する粒子が炭素質の黒っぽい物質で覆われているからだと考えられています。

また、輪と輪の間隔がだいたい1000km以上あるのに対して、輪の幅は非常に細く、最大の輪でも20〜100kmしかないのが特徴です。環の中でも天王星の最も外側にあるε環は非常に細いことが知られています。

ただ環を構成しているのは、氷や岩のかけらなど、砂粒ほどの小さな粒子のため、長い年月の間に互いに衝突を繰り返して環の幅は自然に広がるはずだと予想されました。そのためどうして細いままなのかは研究者にとっても非常に不思議な問題でした。

この謎は1986年のボイジャー2号探査機の観測によって解かれました。

ε環のすぐ外側と内側に、ほぼ同じ大きさの2つの衛星が発見されたのです。シェークスピアの小説の登場人物にちなんでコーデリアとオフェーリアと命名されたこの2つの衛星は、重力作用によってその間にある環の形状を一定に保っていたのです。

これはあたかも羊が群れを離れないよう見張っている牧羊犬に似ていることから、このような衛星を「羊飼い衛星」と呼んでいます。

細い環は、こうした小さな衛星の絶妙なコントロールによって成り立っているのです。