下の図は天王星の磁場を示しています。黄色の矢印は太陽の方向です。水色の矢印は天王星の磁気軸、濃い青の矢印は天王星の自転軸を示しています。

画像
Credit:NASA/Scientific Visualization Studio/Tom Bridgman

天王星の磁場は、惑星内部の電気伝導性流体の対流運動によって生み出されていると考えられています。 しかし、その詳細なメカニズムは不明な点が多く、なぜ磁軸が自転軸から大きくずれているのかは未解明です。

太陽の磁場は、その活動周期と同じ約11年周期で逆転する現象が知られています。

木星型惑星の磁場の発生メカニズムも太陽とよく似ているので、木星型惑星の磁場は太陽と同じように逆転する可能性があるという説もあります。この考え方によれば、天王星の磁場は今まさにその逆転が起きつつあるのかもしれません。

天王星は水を含む、メタンやアンモニアなどが凍りついた「巨大氷惑星」です。

ただ表面は凍っていても、その内部は極めて高温高圧な環境にあり、水が金属状態になっていると推測されています。

水が金属になるというのはどういうことでしょうか?

金属と言われてまず頭に浮かぶのは、鉄や銅、アルミニウムなどの物質です。ではこれら金属に共通する性質とはなんでしょうか?

おそらく多くの人は、電気をよく通すとか、表面がピカピカとよく光を反射するなどの性質を思い浮かべると思います。

実は、これら電気を通しやすい性質と光を反射する性質はどちらも原子の結合方法に関係があり、この性質持った結合状態の物質を金属と呼んでいるのです。

画像
金属結合の例  Credit:JackFromReedsburg, CC0, via Wikimedia Commons

つまり水が金属状態というのは、水が圧縮されてこの金属と同じ性質(電気を通し、光を反射する性質)を示す原子の結合状態になっているという意味なのです。

ちなみに、純粋な水は常温常圧では電気を通しません。(水が電気をよく通すというイメージがあるのは水が含む不純物の影響です)