天王星の大きさは太陽系の惑星の中で3番目で、直径は地球の4倍です。しかし、太陽から28億7500万Km(太陽‐地球間の約19倍)も離れたところにあるので、地上の望遠鏡ではそれほど大きく見えないのです。

太陽系の惑星の大きさ比較
太陽系の惑星の大きさ比較 / Credit:NASA/Lunar And Planetary Institute

天王星は木星や土星と同じように水素とヘリウムを多く含むガス惑星のため、木星型惑星に分類されています。一方で、内部に岩石を含む氷の大きな中心核があることから、海王星とともに巨大氷惑星に分類されます。

天王星を望遠鏡で見ると、淡い青緑色に見えます。これは、天王星の大気に含まれているメタンが赤い色を吸収するためです。

天王星の大気は主に水素とヘリウムで構成されていますが、数%のメタン(CH4)も含まれています。 このメタンには、可視光の中でも特に赤色の光を強く吸収するという性質があります。

メタンが赤色光を吸収することにより、残った青緑色の光が反射されるので、天王星は淡い青緑色に見えるのです。

同様に、海王星の表面も大気中のメタンが赤色光を吸収することで青色に見えます。一方、木星や土星もメタンを含んでいますが、大気の主成分が水素とヘリウムであり、メタンの割合が少なくアンモニアなど他の化合物の割合が多いため褐色や黄色に見えます。

興味深いことに、天王星の色は公転周期(約84年)に伴って徐々に変化することがわかっています。天王星が夏至や冬至の時期には緑色が強まり、春分や秋分の時期には青色が強まる傾向があるのです。

この色の変化は、天王星の自転軸が公転面に対してほぼ横倒しになっていることと関係があります。自転軸の傾きにより、極地方と赤道付近では受ける太陽光の量が大きく異なり、それが大気の対流や雲の状態に影響を与えていると考えられています。

このように、天王星の淡い青緑色は大気中のメタンによるものですが、その色合いは天王星の公転周期に伴って微妙に変化するのです。

横倒しの惑星