そのままアクセルを開けていくとスルスルスルッと伸びるように速度が乗っていく。なかなかの加速力である。エンジン音がなく、速度が上がったときに耳元で風を切る音だけが聞こえてくる感覚は実に爽快。その体験をしてしまうと、電動バイクの魅力に取り憑かれてしまう。
車体が軽いこともあって挙動は軽快。ブレーキも過不足なく効き、スムーズに減速させることができる。サスペンションの動きも及第点で、オフロードモデルとして十分な走破性があることを感じた。ファンライドを楽しむには十分なポテンシャルを持っていると言えるだろう。

<E-FOX SS>は、ナンバー登録して公道走行も可能!

ヘッドライトやウインカーなどの保安部品が付いていることからもわかる通り、<E-FOX SS>はナンバー登録して公道を走ることができる。区分は原付二種になる。
今回は残念ながらナンバー登録をしていなかったので、逗子にあるライダーズカフェ・808Cafe 10Rの店頭を借りてのイメージ撮影となったが、登録すればこんなカフェツーリングも可能となる。オフロードを走った感触からするとストリートでもかなりの俊足を見せることが予感できた。

またトランスポーターに乗せて郊外に出向けば、自然の息吹を感じながら未舗装路や林道の散策などもできる。<E-FOX SS>は工夫次第で多くの使い道が考えられるバイクなのだ。

撮影協力:808Cafe 10R ()

スペック上、フル充電時の航続距離は115kmというから、近場をグルっと散策するなら問題はない。ただし充電するには専用の充電器が必要なので、出先での給電はちょっと難しそうだ。そのあたりは多くの電動バイクが直面している問題であろう。
個人的な見解ではあるが、現時点での電動バイクの利用法は、通勤通学など決まった距離を走るコミューター的な使い方や、クローズドコースを走るといった使い方が最適なのではないかと思う。そう考えると自ずと<E-FOX SS>の使用法も見えてこようというものだ。

E-FOX SSディテール解説

LEDヘッドライトを装備。ウインカーは光が流れるシーケンシャルタイプだ。
フロントにはペタルローターを採用したシングルディスクブレーキ。フロントタイヤのサイズは70/100-19。
メーターはシンプルなデジタルタイプ。スピードが中央にあり、左にバッテリー残量が表示される。右のPマークはパーキングの意味だ。
高剛性のトラスフレームを採用。エンジンがある部分にバッテリーを搭載している。脱着はできない。
右のスイッチボックスにはパーキングの解除ボタンやヘッドライトスイッチが並ぶ。ミッションはないので、一番下の変速ボタンはパワーモードの切り替えを意味する。
左ハンドルスイッチボックスにはヘッドライトのハイ/ロー、ウインカー、ホーンなどのスイッチが装備されている。ホーン横のRボタンはリバース(バック)だ。これも電動バイクならではの機能である。
リヤのモノショックはシンプルなリンクレス方式。ストロークは長いので走破性は高い。
ブーツの底に食い込む形状のステップバー。ブレーキペダルの先端も滑りにくい形状だ。
リヤブレーキのマスターシリンダーにはリザーバータンク一体式を採用。
リヤのブレーキもペタルローター。リヤタイヤサイズは90/100-16。
専用の充電器でチャージ。100V電源からの充電時間は4時間とのこと。