日本に輸入されるラインナップの中から今回紹介するのは、電動モーターサイクル<E-FOX SS>だ。
モータリストはエンジンのみならず電動バイクにも力を入れている。その理由をモータリストの野口代表に聞くと「将来のモビリティを見据えてのこと。ユーザーや販売店に製品や情報を提供できるようにするためです。あと電動オフロードバイクの場合は山(自然)に優しい。うるさくないし空気も汚さないですから」という答え。「ガソリンスタンドの数も減っていますが、電動なら自宅で充電できる。コミューターとして活用するには大事なことだと思います」。

さらに「なにより僕らはバイクで走ることが好きなんです。動力は問わず、自分たちが乗って“楽しい”と思える製品をみなさんに紹介しています」と付け加えてくれた。それがモータリストという企業が目指しているものなのだろう。

どちらから見てもマフラーが存在しないスリムなデザイン。エンジンの張り出しもなく、車体側面がフラットなところも新鮮だ。

■ポジション
シート高は意外と高め。座るとリヤショックがわずかに沈む感覚だ。しかし車体がスリムで軽量なこともあって、足先1/3程度の接地でも車体を支えるのは苦にならない。

テスター身長:165cm/体重72kg

アクセル操作に対してスムーズかつリニアに加速。オフロードでの走りは想像以上!

メインキーをオンにしメーターが点灯することを確認。エンジンと違って作動音は一切しない。アクセルをゆっくりと開けていくと、その動きに合わせるようにリヤタイヤがズズズッと動き始める。クラッチを使わずに駆動がかかっていく感覚は電動ならではのものだ。
このときアクセル操作をていねいに行えば路面のミューが低くても極低速から路面をしっかりと捉えてくれる。<E-FOX SS>では電動モーターでの駆動にありがちな急激なトルクの立ち上がりやドンツキがほとんど感じられないのだ。エンジンバイクに乗り慣れたライダーでも違和感のないアクセラレーションを楽しめるよう適切にチューニングされているため、低速域から自然でリニアな加速感を体験することができるのである。また排気音のプレッシャーがないのも良い。オフロードビギナーにとって扱いやすく感じられるポイントのひとつだと言えよう。