近年、世界各国で少子高齢化に伴う「労働者不足」が課題となっている。米国では6月最終営業日時点の求人数が820万件あったものの、離職者は510万人と横ばいであり、いまだ多くのポストが空いたままだ(参考)。

数ある業種のなかでも倉庫、輸送、小売などの分野で離職率が依然として高く、人材不足の深刻化が懸念されている。

人手を補うためにAIシステムや自動化装置、ロボットなどが現場で導入されるなか、米国のAIロボット企業Figure AI, Inc.(以下、Figure)は自律型ヒューマノイド「Figure 02」を今年8月6日に発表した。Figure 02は、同社が2023年に発表した「Figure 01」に次ぐ第2世代のモデルだ。

前モデルの3倍の処理能力を持ち、改良された音声通信、高度なカメラやマイク、高性能バッテリー、可動域の広いハンドを搭載している。

人間の器用さとAIを組み合わせたヒューマノイド

2022年設立のFigureは、自律型汎用ヒューマノイドを開発する米国スタートアップ。カリフォルニア州サニーベールに拠点を置き、AIやデザイン、ハードウェア、ソフトウェア・エンジニアリングの専門家を含む120人の従業員を抱えている。

2023年3月にFigureはステルス状態から脱し、人間の器用さとAIを組み合わせた汎用ヒューマノイドのFigure 01を発表した。

2024年2月には、シリーズB資金調達で6億7500万ドルを調達したこと、そしてヒューマノイドの言語処理・推論機能の強化に向けてOpenAIと協力契約を締結したことを明らかにした。

Image Credits:Figure

こうした過程を経て、Figureのエンジニアリングチームと設計チームは、ハードウェアとソフトウェアを根本から再設計し、Figure 02の開発を実現。AI、コンピューター ビジョン、バッテリー、電子機器、センサー、アクチュエーターなどの領域で技術的な進歩を遂げたという。

音声通信機能や可動域の広いハンドを搭載