この報道を受けてFTC (アメリカ連邦取引委員会)が捜査を開始、2021年1月にFloに問題を指摘。「情報開示をユーザーに通知すること」、「情報を渡した第三者に対して、その情報の破棄を指示すること」、「個人情報の収集に関して、ユーザーに虚偽の報告をしない」などの条件で和解が確定している。

ただしこの時、Flo Health側は許可のない漏洩を認めていない。リリースでは「当社はいかなる不正行為も行っていません。今回の和解は、訴訟にかかる時間と費用を回避し、この問題を過去のものとして決別するためのものです」とした。Floにとっては過ぎたことでもユーザーにとってはそうではないようで、カナダでは今年3月にFloに対する集団訴訟が進行を許可されている。

今後は新興国でのユーザー数増加目指すFlo、日本語サイトも

Flo Healthは、7月のシリーズCラウンド完了とあわせて、成長株投資企業General Atlanticとの連携を発表した。

2024年6月時点で約7000万人の月間アクティブユーザーと約500万人の有料会員を抱えるというFlo Health。共同設立者兼CEOのDmitry Gurski氏は、グローバルな向社会的プログラムを通して10億人の女性にリーチすることを目指すとコメント。

このプログラムは、インドやインドネシア、ナイジェリアなど66ヵ国でFloプレミアムの無料アクセスを提供するもの。これらの新興国でもすでに1200万人近い女性が恩恵を受けているという。

なお、Floの日本語版公式サイトも用意されている。8月13日時点ではトップから「プライバシーとセキュリティについての詳細」に飛ぶと英語表記になる状態。日本語の情報量はまだ足りない印象だが、今後Floが日本への本格進出に着手する可能性は十分に考えられる。

(文・澤田 真一)