トルコ南部に佇む「ギョベクリ・テペ」は、今から約1万2000年前に建てられた非常に古い遺跡です。
英エディンバラ大学(The University of Edinburgh)の研究者は最近、ギョベクリ・テペの石柱の中に”世界最古のカレンダー”と見られる彫刻を発見したと発表しました。
さらに別の石柱には、約1万3000年前の彗星の衝突も記録していた可能性があるとのことです。
この彗星衝突は「ヤンガードリアス」という地球規模の寒冷化を引き起こした要因とも考えられています。
研究の詳細は2024年7月24日付で学術誌『Time and Mind』に掲載されています。
目次
- ギョベクリ・テペに「世界最古のカレンダー」を発見か
- 1万3000年前の「彗星衝突」が刻まれていた?
ギョベクリ・テペに「世界最古のカレンダー」を発見か
ギョベクリ・テペは直径およそ300メートルに及ぶ広さで、そこには200本以上の石柱が円を描くように建造されています。
これまでの研究によると、ギョベクリ・テペは紀元前8200〜1万年前の期間に建てられたことがわかっています。
それらは高度な文明が約1万2000年以上前の時点ですでに存在したことを物語っていますが、ギョベクリ・テペ自体は何の目的で建てられ、どのように利用されていたのか、明確にはわかっていません。
そんな中、研究チームは最近、ギョベクリ・テペの少なくとも一部の石柱は「暦」や「天体現象」の記録として使われていた可能性を発見しました。
チームは以前の研究で、ヴァルチャーストーン(Vulture Stone=ハゲタカ石)と呼ばれる石柱に星座の図形が描かれている可能性があることを報告しています。
研究主任のマーティン・スウェットマン(Martin Sweatman)氏は今回、さらに一歩踏み込んだ分析を行い、ヴァルチャーストーンに”世界最古のカレンダー”が彫刻されていることを見出しました。