これが短期であれば担当者が蓄財したり、遊興費に使っていたなどということもあるでしょうが、長期に渡って組織的にやっていたわけで、接待に使った残りは10億円以上あるんじゃないでしょうか。それとも仲間内で飲んでしまったのでしょうか。それにしても使い切れる金額じゃないでしょう。

しかもこの裏金を作っていた途中の2007年には、守屋次官と山田洋行のスキャンダルがあったわけです。その時どこのメーカーも商社も徹底的に社内調査したことになっていますが、その「社内調査」をすり抜けたことになります。であれば今回の社内調査も全く当てにならない、ということになります。

結局金の流れは国税が調べないとわからないでしょう。その場合何が出てくるのか、大変興味深い。いずれにしても社長と担当役員は引責辞任でしょう。それと指名停止がどの位の期間になるのか。仮に1年を超えるような場合、潜水艦の建造や整備のローテーションが大幅に狂うことになるのではないでしょうか。

【本日の市ヶ谷の噂】 防衛医大で救急専門医の資格をとり、航空自衛隊自衛隊入間病院に赴任した医官2人の内、一人退職、一人は部隊へ異動となり救急診療は出来なくなった。診療全くできない病院長(専門は病理検査)は、どうしようと困惑中、との噂。

防衛省 Wikipediaより

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。

10式戦車近代を占う 前編 10式戦車近代を占う 後編 公開情報を納税者に隠す防衛省のインテリジェンスの欠如

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。 海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態

月刊軍事研究8月号に防衛省、自衛隊に航空医学の専門医がいないことを書きました。 軍事研究 2024年 08 月号

編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2024年8月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。