黒坂岳央です。

最近、にわかに南海トラフ地震の脅威が話題にあがるようになった。言うまでもなく、日向灘地震と神奈川県西部地震がその発端である。

地震の脅威が変わったわけではないのに、急にこの日を起点に水の買い占めが起きているが、おそらくある程度日数が経過するとまた何もなかったかのように地震を忘れて日常に戻る。つまり、「意識的な地震への備え」は多くの人にとってあまり役に立たない。むしろ「無意識的な備え」になっている必要がある。こちらは意識していなくても、結果として地震の難を逃れることができるからだ。

年始に執筆した次の大地震で生き延びる「3つの備え」に加えて、個人的に備えている内容を取り上げたい。

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大型家具への地震対策

地震はいつやってくるか分からない。真夜中に寝静まっているタイミングかもしれないし、料理で火を使っているタイミングかもしれない。いくら気をつけている人でも、寝込みを襲われたらひとたまりもないだろう。

いずれにせよ在宅中に起きたことを想定するなら、大型家具には気をつけるべきだ。自分がやっていることはそもそも重量の大きな家具は使用をしない。また、エアコンの位置を意識する。ベッドの位置を変えて万が一、落下しても頭に直撃を受けないようにしたいところだ。

また、子供がいる家庭は自分は助かっても、子供がタンスの下敷きになったりしないよう、長くいる場所での大型家具の設置には気を配りたいところである。

海岸を避ける

南海トラフ地震は国や機関が何度も入念なシミュレーションを行い、想定被害を公開している。そしてこの地震には過去におきた規則性が見られるので、発生したときの想定被害はかなり高い精度で分かる。

実際、東日本大震災の時は「ここより下に家を建てるな」と刻まれた石碑がある。この教えを守った地域において建物の津波被害がなかったという話も有名だ。特に危険度の高いエリアを避けることで、震災はさておき津波の被害はある程度軽減できるのではないだろうか。事情があって土地を離れることが難しい人もいるわけだが、少なくともこれから移住を考えたり新しく家を建てる人は場所を意識してもいいだろう。