黒坂岳央です。

独立した人の多くに共感を得られる話が、「脱サラして後悔する人はいない」というものだ。「独立した全員がうまくいっているわけはなく、サラリーマンに戻る人もいるではないか」と反論がありそうだが、そうなった人もおそらく後悔はしていない。100%ではないが非常に高い確率でそうだろう。もちろん、自分自身も一瞬たりとも後悔したことはない。

この仮説の根拠を取り上げたい。

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独立する人、しない人

自分はサラリーマンの時から「いつか会社員なんてやめて起業したいな」という人は何人が見てきた。二人で飲み会をしてお互いのビジネスプランを語り合ったこともあった。

しかし、独立に興味がある人はそこそこいたが、本当に独立する人はほんの一握りだ。「こんな会社、いつか絶対にやめてやる!」という人ほど、転職や独立せず結局何十年も居続ける一方、周囲に一言ももらさずいつの間にか次の転職先を決めたり、独立準備をして「実は」と告白する人もいる。

そう、世の中には独立する人、しない人がいる。しない人は願望はあるが「今は時期が悪い」「準備が十分でない」と結局行動しない。その逆にする人はどんな状況でもする。資金が十分でなくても、子供が生まれた直後でも、今の仕事がうまくいっていてもする。

こうした人種は自分を含めて「社会性」の欠如がある。周囲の顔色を伺うことをせず、多少迷惑でも気にせず自分のやりたいことを優先する。自分自身もそうだ。逆に周囲の顔色ばかり見ている人には独立は難しい。

独立後の生活の魅力

独立後の生活は魅力に溢れている。残業時間を気にせず好きな時に働き、やりたい仕事だけをやり、フリーランスなら上司も部下もいない。出勤もスーツも気にせず、ジャージを着て自宅で仕事ができる。

よく「起業したら目覚まし時計のない生活ができる」「満員電車に乗らなくてもいい」みたいな話があってこれは正しいが、「嫌なことをしなくていい」というより、独立組は「好きなことだけを時間の制限なくたくさんできる」という意味で言っていることがほとんどだ。実際、独立した人はのびのびとものすごくよく働く。