同様の考え方で、配膳ロボットだけでなく、飲み物づくりに対応するロボットも開発・展開しているのが米企業のRichtech Robotics(以下、Richtech)だ。アルコールやコーヒー、バブルティーなどに対応するヒト型ロボットで、先月米テキサス州で開催された大リーグ(MLB)オールスターゲームの会場となった球場にも登場し、「腕」を披露した。
客が注文した飲み物を提供、カウンターで接客も?
ネバダ州ラスベガスに本社を置くRichtechは、2016年に創業、2023年11月に米ナスダックに上場した企業だ。
同ロボット「ADAM」はヒトを模したデザインで、動き回る配膳ロボットとは異なり据え置き型。客と向かい合うカウンターなどに設置すれば、客が注文した飲み物をその場で作ることができる。
ADAMには3つのプログラムが用意されており、カクテルやノンアルのカクテルを作るバーテンダー、コーヒーなどをいれるバリスタとして機能。そしてもう1つのプログラムではバブルティーに対応する。各プログラムは商品ごとに使う材料や量、まぜる順番などをカスタマイズできるようになっており、例えばバリスタとしてホットコーヒーやアイスコーヒーといった基本のものから、ラテのような調合を要するスペシャリティまで幅広いメニューに対応する。
客と会話可能、おすすめ商品の案内も
ADAMはセンサーなどを搭載し、2本の腕の先にカップをはさめるようになっている。腕には人間の手首や肘にあたる可動部分がいくつかあり、器用に動かしながら周囲に配置された材料の入ったボトルなどを持ち上げてカップに注ぎ、飲み物を作っていく。カクテルの場合、グラスに注ぐ前に材料の入ったタンブラーを揺らして混ぜるという動作もこなす。