日々の暮らしのなかで、私たちはスマートフォンで多くのコンテンツを消費している。ニュースサイトやビデオ、ソーシャルメディアなど、娯楽から仕事関係のものまで多岐にわたる。

スマホでコンテンツを好きな時にチェックできるのは便利だが、目で消費するタイプのものは歩いたり、何か他の作業をしながらのときには向かない。だが、それがテキストベースのコンテンツであれば、「耳で消費する」という手がある。

人工知能(AI)を活用した音声プラットフォームの米スタートアップ、ElevenLabsがこのほどリリースした読み上げアプリは、複数の選択肢から好みの音声を選べるようになっており、今秋にも日本語など多言語に対応するようになる。

ラジオ感覚でテキストコンテンツを楽しめる

ElevenLabsの読み上げアプリは、記事やブログなどに加えて、メールやPDF形式の書類などあらゆるテキストベースのコンテンツに対応する。使用方法はシンプルで、読み上げて欲しい文を直接書き込んだり、コピペしたりするほか、ウェブページのURLを入力するだけでもいい。コンテンツを入力すると、ほどなくして読み上げが始まる。


文字を「オーディオ化」することで、ユーザーはスマホの画面を見ることなくコンテンツの内容を頭に入れることができる。両手が塞がっているとき、画面ではなく周囲に目を向ける必要があるときに威力を発揮する。

例えば、エクササイズや料理をしながら記事や小説を聞く、出勤時の満員電車の中で会議の資料やメールを頭に入れるという使い方ができる。ラジオやポッドキャストを聞くような感覚でテキストコンテンツを扱える。

人間の抑揚を学習

読み上げアプリは他にもあるが、ElevenLabsのアプリの特徴は音声ライブラリーから声を選べるようになっていることだろう。読み上げの音声はAIによるもので、現在は英語のみだが、米国や英国のアクセントに対応する。また、「中年の米国人男性」「ストーリを読むのに最適なキュートな声」などさまざまなバリエーションが用意されている。