もう少しわかりやすく言うと、市議会議員は「市のお金の使い方を決定する」権限をもっている、ともいえます。

佐倉市の場合、本年の当初予算で年間552億4,300万円、この予算をもとに提案された事業の「やるorやらない」の全権を握っているのが、28人の市議会議員、ということになります。

Q2. 市長は一人なのに、議員が複数人いる理由はなんですか?

市長は、市役所の人事権を握るトップであり、行政の長です。そのため、議会に事業とその予算を提案する責任と役割を持っています。

市長が議会に提案する内容は「議案」と呼ばれています。

その議案は、佐倉市の場合約千人いる職員が、しっかり練ったものです。例えば、ある場所に道路を作りたい、その予算は10億円だ、という議案があったとき、それは役所のたくさんの職員が、その必要性や全体的な予算のバランスを検討し作成します。市長は、一般的にはその内容やバランスを理解したうえで議会に提案しています。

一方、議員は市民の代表ですから、議員が一人だった場合、佐倉市17万人の声を拾いきることはできません。また、そもそもその一人の議員が市民の声を聴く努力をしなかった場合、市長が提案した議案の賛否について、その議員の意見や価値観だけが反映されるため、偏った判断になります。そのような偏りを防ぐために、議員が複数人いるのです。

議員が複数人いることで多様な意見が出され、それらをもとに議論を重ねることで、より良い決定が下されることが期待されます。

つまり、議会は執行部から説明を受けた「議案」について、各議員が議会でしっかり議論し、その内容の是非を市民と検討し、多数決にて議決すること、また賛否の理由を市民に説明することが期待されているのです。

次稿は、引き続きQA形式で詳述していきます。