「パリ症候群」が起きる理由

精神医学用語の「パリ症候群」とはどんな症状が出るもの?日本人特有って本当?
(画像=『FUNDO』より引用)

では、なぜ「パリ症候群」が起こるのでしょうか?
ここからは「パリ症候群」が起きる原因をまとめます。

華やかなイメージとのギャップ

「パリ症候群」の主な原因はイメージとのギャップにあるとされています。

日本人はフランスに対して極端に華やかな印象を抱いています。
特に日本人女性はその傾向が強いのかもしれません。

その一方、実際のフランスには当然ながら汚い一面もあります。
そこはフランスに限らず、その国も同じと言えるでしょう。
ただ、その現実を受け止めきれずに困惑する人もいるのです。

実際に「花の都」にもゴミは落ちているしネズミもいます。
落書きもあるしホームレスやストリートチルドレンもいます。

そういった華やかなイメージとのギャップで「パリ症候群」を引き起こしてしまう人がいるのだとか。

フランス語を話せないことの弊害

「パリ症候群」はフランス語が話せないことでも発症します。

フランス語は世界で最も難しい言語の1つとされるほど難解です。
そのため、日本人が練習してもなかなか上達しないのだとか。

にもかかわらず、現地住民は下手なフランス語に対して露骨に嫌な顔をする(もちろんほとんどの人は優しい)もあるそうです。
海外旅行くらいなら気にしないものの、出張や留学で現地住民と深く関われば関わるほどその態度に傷つく日本人もいます。

事実、フランス語が話せないことで意思疎通できないとなれば病んでしまっても仕方ありません。
それら言葉の壁によって「パリ症候群」を引き起こす人もいるわけです。

国民性の違い

日本とフランスとでは国民性も大きく異なります。

例えば、日本人は比較的集団生活向けの国民性です。
対して、フランス人は個人生活向けの国民性とされます。

日本は古くから自分が所属する集団の中で空気を読んで生活してきました。
しかし、フランスはパーソナルな行動を軸として生活してきたわけです。

そのため「察する」ということ自体があまりありません。
それだけに現地で孤独を感じる日本人も少なくないのだとか。

何よりフランス人ははっきりとした国民性なので、感情もわかりやすいです。
好きな時は好きというが、嫌いな時も嫌いとはっきり伝えます。
そのストレートな感情表現に疲れてしまうこともあるのかもしれません。

また、フランス人の中にはルーズな一面も見られるようです。
時間を守らなかったり約束を破ったりすることは日常茶飯事です。
それら国民性の違いも「パリ症候群」の原因となるでしょう。