心霊好きで『ゾゾゾ』を知らない人は、もはや日本にいないのではないだろうか。

 ゾゾゾは心霊スポットや曰く付き廃墟、怪現象が起こる家などを訪問し、食べログのように評価するポータルサイトを作るという目標を掲げたホラーエンタテイメント番組だ。今や登録者も100万人に迫り(2024年7月現在)心霊系YouTubeチャンネルでは日本一と言っても過言ではないだろう。

 メインパーソナリティ落合さん、ゾゾゾの発起人でもある敏腕ディレクター皆口さん、若干霊感体質のスタッフ内田さん、いつも冷静な永遠のスペシャルゲスト長尾さん、物や人に興味がない虚無人間との噂があるスタッフ山本さんら、バラエティに富んだメンバーは観る者を飽きさせない。

 TOCANAでは4年前にインタビューを行っているが、今回TOCANAのリニューアル記念と称して、改めてパワーアップしたゾゾゾの落合さんに話を伺った。ゾゾゾのはじまり、今後ゾゾゾはどうなっていくのか、そして落合さんという人物が何者なのかに迫る。

『ゾゾゾ』の落合さんを大解剖!本職は営業マン!?TOCANA独占インタビュー
(画像=ゾゾゾの落合さん 撮影:編集部 ,『TOCANA』より 引用)

ゾゾゾが始まった経緯

——今や大人気チャンネルとなったゾゾゾですが、ゾゾゾがどのように始まったのか教えてください。

落合さん(以下、落合):僕は今、ギギギという会社をやっているんですが、その前にやっていた会社の従業員に皆口くんがいました。彼が元々ホラーが好きというのは知っていたんですが、ある時に彼からホラーのポータルサイトを作りたいと言われたんです。でも僕は心霊スポットに行ったこともなければ、全く興味もなかったですし、そもそも仕事になるのかな?という思いが一番最初にありました。以前の会社はWebデザインやシステム開発をしていた会社だったので、技術的には作れるんですけど、ホラーの知識もなければ僕以外の役員も興味がない分野ですし、事業としてやるには難しいかなと思いました。いまいちピンとこなかったんです。なので個人的にやる分には構わないし、そこで「僕に手伝えることがあるんだったら声かけて」と軽い感じで言ったのが本当にきっかけです。それから数ヶ月後くらいにまさに1話目の石神井公園の動画撮影に呼び出されました。

——1話目はガチで仕事帰りに急に連れていかれたんですか?

落合:本当にそうなんです。その時僕は何のことだかよくわからず、何ならYouTubeに動画が上がることすらも理解していないような状況でした。YouTubeに動画が上がってびっくりしたくらいです(笑)。なので色々打ち合わせをしたりとかは全くなくて、ゾゾゾポイントのシステムとかもその時に初めて聞きましたし、そもそも「ゾゾゾ」って言うんだ、みたいな感覚でした。

 そして1話目ができあがったくらいのタイミングで、皆口くんから心霊系のDVDを10本ほど観せられたんです。それぞれの作品を説明されて「面白いと思いますか?」と聞かれたんですが、僕はそういった作品に慣れていなかったこともあって「面白いっていう感じはしなかったかな」と伝えました。そしたら彼は「興味がない人からすると、そうですよね。なのでゾゾゾはこういう風には作りません。」と言ったんです。

 ゾゾゾの視聴者の多くは僕と一緒でホラーをあまり見てこなかった人だと思うんです。ですから最初からそういったジャンルの入口としてゾゾゾを観る、みたいな感じの方向で作るというのは皆口くんの中であったんだと思います。

——ゾゾゾのメンバーのキャラもいいですよね。怖がる落合さん、冷静な長尾さん、ちょっといじられキャラの内田さんと、とてもバランスがとれていると思うんですが、これは特に狙ったものではないのでしょうか?

落合:キャラ設定も特に決めたわけではないんです。皆口くんからは一番最初に、落合さんは”視聴者代表です”と言われました。視聴者は落合さんを投影して見るので、落合さんは怖かったら怖がっていいし、思ったことを言えばいい、使えないところはばっさり切ると言われました。

——シーズン制というのもYouTubeチャンネルの中では斬新ですよね。

落合:実は24話で区切るというのも僕は知りませんでした。10話目くらいで再生数がバーンと伸びて登録者も増えて、単純に嬉しかったのでそのことについて皆口くんと話していたら、「あ、でも24話で辞めます」と言われたんです。「え?辞めんの?」とびっくりしましたね。彼の中ではシーズン2をやると決めていたわけでもなく、一生やらないつもりはないけど、こういうのは一度区切ったほうがいいという思いがあったみたいです。

——多くの心霊スポットを回られてるわけですが、いわゆる霊障みたいなことはあったりしたのでしょうか?

落合:撮影が終わって家に帰って、お風呂で髪の毛を洗うときに怖いみたいなことはあるんですけど、何か“憑いてきたな”みたいなことは一度もないですね。逆にあったらここまで続けられてないかもしれないです。内田くんがたまに怪しいときはありますけど、みんなそのあたりは大丈夫そうですね。

——ちなみに一番怖かった場所や印象に残っている場所はありますか?

落合:どの場所もそれぞれ怖いんですけど、最近でいえば「気持ち悪い家」の1つ目が不気味で怖かったですね。遺書や遺影があるわ、最後の言葉みたいなものが書いてあるわで……途中で一人にされたんですが、本当に耐えられないくらい怖かったです。生活感があってここに人が住んでいたんだなと感じる場所はやっぱり怖いですよね。

 あとは、シンプルに物理的に怖かったのは「朝鮮トンネル」ですね。長尾くんもよくトンネルは怖いと言うんですが、僕も同意見です。特に照明もない夜のトンネルは本当に真っ暗で、どっちを向いているかわからないような、異空間に飛ばされた感覚になるんです。

——ゾゾゾをやってきて幽霊は信じるようになりましたか?

落合:ゾゾゾを始めたときに比べれば「あ、いるかもな」とは思うようにはなりました。100%信じてるわけではないんですけど、ちょくちょくゾゾゾでも起こる変なことは、いないと説明つかないんじゃないかと。

『ゾゾゾ』の落合さんを大解剖!本職は営業マン!?TOCANA独占インタビュー
(画像=ゾゾゾの夏が今年もやって来る!待望の完全新作が今夏公開決定! 画像は「ゾゾゾ」より,『TOCANA』より 引用)

——先日”ゾゾゾの夏“のキービジュアルが公開されました(6月24日取材時)が、落合さんは中身については全く知らされていないんですか?

落合:残念ながら知らされてません(笑)。今はまだ告知の告知みたいな段階なんですけど、それでもみんなが話題にしてくれるのは凄いなと思いますし、誇らしいですね。

——ゾゾゾとしてはこれからどういう方向にいくかみたいなことはお話しされていたりするんでしょうか?

落合:そこは皆口くん次第という感じですね。僕らは撮影しに行っても、それがいつ公開されるのかも知らされないですし、聞いても教えてくれないですし。動画が公開されることも僕は大体X(旧Twitter)で知るんですよ。事前に内容を見せてくれることもないので、配信日に本当に視聴者さんと同じ感覚で観るみたいな感じなんです。なので本当に今後については彼次第ですね。ただ僕としては辞めるつもりはないというか、心霊スポットが無くなることもないでしょうし、皆口くんに言われたら行くというスタンスは変わらないと思います。怖いんですけどね。