昨今「親ガチャ」という言葉が社会で流行している。元はネット上で若者たちが使っていたものが今や、ニュースでも取り上げられるようになった。しかし、この言葉は実態に即していない。ヒプノセラピーなどの例からわかる「親ガチャ」とは真逆の真実についてお伝えしよう。
■「親ガチャ」とはなにか
まず、この言葉が初耳だという読者のために簡単に解説しよう。「親ガチャ」とは、自分が生まれた環境をカプセルトイになぞらえ、どの親から生まれるかはガチャポンのように不確定だという意味で用いられる言葉だ。この言葉がネット上で使われるようになった時期を調べると、2017年11月には既に某掲示板に「自分は大学に入って親ガチャが意外と当たりだった」という内容が書き込まれており、少なくともこの前後から広く用いられるようになったものと思われる。
脳科学者の茂木健一郎氏は過去にTwitter(現X)で「親ガチャ」に対する「子ガチャ」についても持論を展開した。「親の側から見れば、子供がどのような個性を持ってどう育つかは予想できない面もあるわけで、そこには『子ガチャ』もあります」という。また「天才は凡才から生まれる。天才は遺伝しない。子供がどう育って行くか、そういう意味で子育ては宝探しなんです」ともツイートしていた。「親ガチャ」にせよ「子ガチャ」にせよ、親子の結びつきにそこまでの運命性は感じられないということなのだろう。
しかし、筆者は45年以上の超常現象研究などの経験から、「親ガチャ」や「子ガチャ」を別の観点から捉えている。子供が生まれる前のことを記憶しているという「出生前記憶」や、「前世療法」などとも呼ばれる過去生退行催眠によって、実際は子供が親を選んで生まれてくることが非常に多いことがわかっているのだ。もし人間に魂があって、生前や死後も存続するものならば、生まれる前のことや死後のことを魂が覚えている人がいるとしても不思議はないかもしれない。