音楽の都ウィーンで8日から3日間、米国の世界的なシンガーソングライター、テイラー・スウィフトさんのコンサートが開催される予定だったが、イスラム過激派グループ「イスラム国」(IS)が襲撃テロを計画しているという情報が入ったため、主催者側が7日夜、3日間のウィーンコンサートを全て中止すると明らかにした。主催者側のバラクーダ・ミュージックは「オーストリア政府からイスラム過激派によるテロの危険があることを確認した。われわれはコンサートを中止する以外、他の選択肢がなかった」と語り、10日以内ならばチケットは払い戻せるという。

写真は2023年MTVビデオ・ミュージック・アワード・イン・ニューアークでソング・オブ・ザ・イヤー賞を受賞したテイラー・スウィフトさん(UPI)

オーストリア内務省は7日、ニーダーエステライヒ州のテルニッツでISと接触のある19歳と18歳の男性の2人をテロ容疑で逮捕した。爆弾用と思われる化学物質が見つかったという。19歳の男性はオーストリア国籍を有しているが、両親は北マケドニア出身だ。インターネット上でイスラム過激派と接触したといわれ、今年7月上旬ISの現指導者に「忠誠の誓い」を立てている。未確認情報だが、治安関係者は更なる容疑者を捜査しているという。容疑者のテロ計画の重要な手がかりは、米国の諜報機関から得たという。

コンサートは3日間ともウィーンのエルンスト・ハッペル競技場で開催される予定だった。前売り券は1年前に既に完売された。3日間には17万人のファンが集まると予想されていた。

スウィフトさんのコンサートは国の経済にも大きな影響を与えるといわれるほど、多くの人と金が動くといわれる。カナダのトルドー首相が「スウィフトさん、カナダでコンサートを開いてください」と自ら嘆願したという話が報じられたほどだ。ウィーン公演のため海外からスイフト・ファンが集まることもあって、スウィフト価格といわれるほどホテルの宿泊代は高騰、コンサート関係のレストラン、ファンエリアでは全て特別価格となっていた。