Volvo VNL Autonomousはバージニア州ダブリンにある工場で組み立てられ、量産される予定だ。

交通事故を減らすミッションも

Image Credits : Aurora Innovation

2021年にはトヨタ、デンソーとの協業を発表し、日本のメディアにもその名を轟かせたAurora Innovation。一時は経営状況の悪化が各メディアから指摘されていたが、8月に株式を売却することにより4億8,300万ドルを調達することに成功した。

また、この資金調達により上述のテキサスでの商用ルート運行が現実味を帯びるようにもなった。アメリカではトラックが絡む事故は50万件に上り、毎年6,000人近くが命を落としているとのこと。トラックに限らない全体の件数で見れば、アメリカでの交通事故死亡者数は毎年4万人以上。その惨事を減らすには、高レベルの自動運転は欠かせないだろう。

Image Credits : Aurora Innovation

この事故件数の裏には、トラックドライバーの肉体的負荷があることは想像に難くない。アメリカは広大な平野や砂漠があり、かと思えば険しい山脈も存在する。そこを安全に進むには、人間よりも自動運転システムが最適だと考えられる。

イレギュラーな事態にも対処


上の動画には、自動運転トラックのセンサー部に突然ビニール袋が飛んできたら……という想定が説明されている。この場合、障害管理システムが即座に作動して車道の右側スペースに停車するようプログラムされている(アメリカの道路は右側通行)。言い換えれば、人の手を借りなくても障害物を検知して安全な回避行動を取れるということだ。

とはいっても、「人の多い都市部の交差点で安全な運転を行えるのか」「他にイレギュラーな事態は想定できないのか」といった疑問点がまだ多いことは事実。それも含めて、今年中に実施されるテキサス州での商業運行に注目したい。