■初対面で「避けがたい魅力を感じた」2人

 2人は不思議なことに、初めて出会った(再会した)時から相手に対し「避けがたい魅力を感じた」と、結婚した理由を話していたらしい。

 同国の養子縁組を行う慈善団体の代表を務めるパム・ホジキンズ氏によると、我々人間は通常、血縁関係にあると気づいている者同士の近親相姦には激しい嫌悪感や抵抗感を持っているが、しかしながら血縁関係に気づいていない場合には逆に、自分と類似している血縁者に惹かれることはごくごく自然な現象であり、「我々は常に自分に似た人に興味を持つものだ」 とコメントしているという。

 無論この例はかなりのレアケースではあるが、数十年前までは双子や兄弟姉妹同士が別々に養子に出されるケースも多く、存在すら知らされなかったといい、そういった背景が悲劇を起こしてしまったと事態を重く受け止めているようだ。

 施設では最近、なるべくきょうだいの子どもたちを離さずに一緒に養育していくのが主流となっているという。

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(画像=画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

今後ますます需要の増加が見込まれる生殖補助医療だが、提供された同じ精子や卵子により生を受けた人たちが、自分の知らない兄弟姉妹(もしくは親子)と気づかずに“不思議と惹かれあい” 恋に落ち結婚するといった危険を伴う可能性は、医療の発展と共に少しずつ比例していくだろう。非常にデリケートなテーマゆえに軽率には扱えないが、さらなる活発な議論が求められるべき根源的な問題である。