黒坂岳央です。

仕事や勉強をする上でよく聞く話の一つに「やる気を出したいのにでなくて困っている」「やる気を出さなければいけないのに」といった悩みがある。

成果を出すにはやる気が必要であり、やる気を出すことで成功できると考えている人は少なくない。会社員時代も「お前に足りないのはやる気だ!」といった叱責をする人もいた。

正直、「やる気」は世の中であまりに過大評価されていると感じる。

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やる気と成果は何の関係もない

仕事でも勉強でも、大きな結果を出したり、粘り強く取り組む人たちがいる。そうした人たちの最大の特徴は「大変安定している」ということだ。

彼らはやる気がある日は目に見えて頑張るが、なくなったら途端に頑張らなくなる、といった行動を取らない。やる気に頼らず取り組んでいるので、常に一定のペースで仕事をしている。いや、むしろどちらかといえばやる気があるように見えないことのほうが多い。

筆者が会社勤務をしていた頃、「この人ならなんとかしてくれる」と頼りがいのあるエース社員は総じて無表情で淡々と仕事をしていた。朝と夜、繁忙期と閑散期でまったく仕事のペースが変わらないのだ。それでも大きな成果を上げている。なぜ安定しているかというと、感情を一切入れていないからだ。

「やる気を出して頑張ると成果が出る」と考えている人はそうした描写のドラマや映画に影響されてしまっている。実生活の上で成果を出すには、ゴールから逆算して必要なことを洗い出し、それを毎日継続してこなすシンプルなプロセスである。そこにやる気は一切介在する余地はない。逆にやる気などまったくなくても、必要なことを必要量積み上げたら誰がやっても成果というのは勝手に出てしまうものなのだ。