5500万年前の文明ならば、当時の建築物は完全に風化しており、その痕跡は大気や地質の変異にしか残されていないと考えられる。そして、その文明を築き上げたのは人類でないことは間違いない。
だが、研究者らによると、PETMと人新世には決定的な違いがあるという。PETMにおいて、同位体の増減は数万年のスパンで起こったが、人新世においてはより短いスパンで急激に二酸化炭素を放出しているという点だ。フランク教授によると、地球上には現在よりも二酸化炭素量が多い時代はあったが、現在ほど急激に二酸化炭素が大気中に放出されている時代はないという。やはりPETMは自然的異常として見られるべきなのだろうか……。
だが、ここには1つの難問があるとフランク教授は指摘している。もし、人類以前の文明が極めて短期間しか続いていなかったとしたら、その痕跡を見つけることは容易ではない、ということだ。精密で斬新な検知技術がなければ、そのような超古代文明の痕跡を地質や大気から発見することは困難を極めるだろう。
また、現在の我々はエネルギーを化石燃料に頼っているが、よりエコでクリーンなエネルギーの生産方法が確立されれば、その分、地球へのダメージが少なくなるため、未来に残す痕跡も少なくなるという。最終的にフランク教授は、今回の研究を「それ(人類以前の文明)は見つけようとしなければ、発見できないものなのです」と、まとめている。
人類以前の文明を発見するには至らなかったが、この手法は地球以外の惑星にも応用できるだろう。たとえば、古代火星文明の痕跡が火星の大気や地質の変異として残っていることも考えられる。人類以前の文明が火星で見つかる可能性はまだ残されているのかもしれない。
参考:「The Atlantic」、「Metro」、ほか
※当記事は2018年4月の記事を再掲しています。
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提供元・TOCANA
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