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BEVとは?
BEVとEVの違い

BEVとは?

BEVとは?EVとの違いやおすすめ車種・補助金についても解説
(画像=@VICHIZH/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

「BEV」は「Battery Electric Vehicle」の略称で、電気自動車に分類される車両を指しています。簡単に表現すれば、電気を使用して走行する自動車の総称です。

近年、二酸化炭素の増加や森林の減少など地球の環境破壊が問題となっていますが、それらを解決すべく誕生したのがBEVです。

BEVには以下4つの特徴が備わっています。

  • 二酸化炭素の排出を抑えられる
  • 走行中の騒音が抑えられる
  • 家庭でエネルギーを補充できる
  • 外部用電源としてBEVが活用できる

二酸化炭素の排出を抑えられる

1つ目の特徴は「二酸化炭素の排出を抑えられる」です。

搭載されている充電用バッテリーから、外部充電などにより蓄えられた電気エネルギーを使って駆動用モーターを発動させて車両を走行させる方法を採用しています。

従来の自動車は「ガソリン」や「軽油」などの化石燃料を使用してエンジンを発動する方法を取り入れており、排出ガスを伴いながら車両を走行させていました。しかし、BEVなら直接化石燃料を燃やす要素がないため、排出ガスを出さずに周辺環境をクリーンな空気で保ちながら車両を走行可能です。

走行中の騒音が抑えられる

2つ目の特徴は「走行中の騒音が抑えられる」です。

化石燃料を用いて走行しているエンジン車は、排出ガスとともにエンジン音などが原因で騒音も発生しています。近年は「騒音規制法」の制定で自動車から発されるエンジン音などが抑えられてはいるものの、完全に騒音を抑えるのは難しいでしょう。

その点、BEVは電気エネルギーによりモーターを駆動させて走行させる方式のため、エンジン車のような走行音が出ません。信号待ちでの停車中ではほぼ音が無い状態で待機ができますし、走行中も、車輪(タイヤ)が路面から拾う「ロードノイズ」程度しか発生しないのが強みです。

エンジン音が苦手などといった人々に、BEVは向いているのではないでしょうか。

家庭でエネルギーを補充できる

3つ目は「家庭でエネルギーを補充できる」です。

家庭用の「充電スタンド」を自宅に設置すれば、ガソリンスタンドのように外へ出回ってエネルギー補充を行う手間が省けます。

また、クルマが減速するときのエネルギーを利用して発電する「回生充電」の機能も備えていたり、外出先の駐車場でも充電スタンドが設置されていたりと、BEVを走行させ続けられる要素が備わっています。

外部用電源としてBEVが活用できる

4つ目は「外部用電源としてBEVが活用できる」です。

BEVであれば車種によって異なるものの、一人暮らしの家庭では最低6日程度、4人世帯でも最低3日程度の電源を確保できる性能を秘めています。キャンプなどで電気ケトルやオーブントースターなどちょっとした電化製品を使いたいだけでなく、災害が発生した際に電化製品を使うための手段としても期待できるでしょう。

BEVとEVの違い

BEVとは?EVとの違いやおすすめ車種・補助金についても解説
(画像=@Herr Loeffler/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

電気自動車を表す際、BEV以外に「EV」とも表現されるケースがありますが、大きな違いは存在しません。

EVは「Electric Vehicle」の略称で電気自動車を表現するための大きな分類。「電気エネルギーで、搭載されている駆動用モーターを発動させて車両を走行させる」という要素があればどのような車両でもEVとして扱われるので、BEVはEVに含まれる“1つの方法・種類”として扱うべきでしょう。

EVは、BEVを含めて4つの種類が存在します。

  • BEV:バッテリー電気自動車
  • HEV:ハイブリッド車
  • PHEV:プラグインハイブリッド車
  • FCEV:燃料電池車 この項目では、BEV以外でピックアップされた3つの種類を簡単に解説します。

HEV(ハイブリッド車)

HEVとは「Hybrid Electric Vehicle」の略称で、“ハイブリッド車”と呼ばれています。

単体での走行も可能としたガソリンエンジンと、電気で動く駆動用モーターの2種類を搭載。駆動用モーターのエネルギーはエンジンによる発電もしくはブレーキ減速による回生エネルギーに絞られているのが特徴です。

HEVは、モーターだけで車両の走行を可能とした「ストロングハイブリッド」、モーターでエンジンをアシストする「マイルドハイブリッド」と2種類のシステムパターンに分類されます。さらに、エンジンやモーターが使われる方法によって、ストロングハイブリッドには「シリーズ」「スプリット」、マイルドハイブリッドには「パラレル」という方式に分類されるほど、奥が深い車種です。

PHEV(プラグインハイブリッド車)

PHEV は「Plug-in Hybrid Electric Vehicle」の略称で、“プラグインハイブリッド車”とも呼ばれています。

エンジンとモーター、2つの動力源を搭載しているのはHEVと共通ですが、外部充電機能が備わっている車種です。エンジンによる発電に加え、充電スタンドから外部充電が可能。万が一、充電がなくなってもガソリンエンジン単体での走行ができるのが特徴です。

FCEV(燃料電池車)

FCEV は「Fuel Cell Electric Vehicle」の略称で、“燃料電池車”と呼ばれています。

電気エネルギーを走行パワーとする他の種類とは異なり、水素燃料を使用しているのが特徴。「燃料電池」で水素燃料と酸素を使い発生させた電気エネルギーでモーターを発動させます。電気エネルギーといっしょに生み出されるのは水で、二酸化炭素の排出を防ぐ効果があります。