ところで女子はなぜ、BL(Boys Love)に走るのでしょうか?私の見方は身近なリアルの男子からの現実感逃避だとみています。つまり、恋をしたい、だけどリアルの男は完全体ではないため、頭が理想を求め続けるのです。よってアニメなどを通じて過激なBLにはまります。それを現実化させるのがアイドルタレントなのですが、アイドルはあまりにも遠い存在で話などできません。故に「見るからに素敵な美男子」が「私の横に座り」「話をしてくれるのみならず」「怪しく優しい言葉を囁きかける」わけです。これは乙女心ならハマるでしょう。そして自分だけのものにしたい、です。

ではもう一つ、グサッと刺すなら私の見る限り、そちらの方面に走る人は妄想が強く、本当の恋愛などほとんどしたことがないか、恋愛を何らかの形で抑制しているのだとみています。社会の甘いも酸っぱいも経験がほぼないか何らかの事情でそれが許されないので理想に走る、そして自己破壊に突っ走るわけです。

これはハマる女子が悪いのか、と言えば社会の変質化がそもそもの問題だと考えています。つまり男は草食化し、自分の世界にのめり込み、男女交際なんて美しいものは「まっぴらゴメン」。どうなるかと言えば、彼氏のいない女子が溢れる、というわけです。なぜ、男子はそこまで淡泊になったかといえば楽しいことが沢山あり過ぎて女は二の次、三の次。だいたい、交際すると金と時間がかかる、という非常にネガティブな発想が前提に立ちはだかります。

男も私から見れば似たような動きがあります。メイドカフェに行き、アイドルを追いかけ、時としてストーカー行為などもあります。が、そのような男には恋愛がしたいとは思えないのです。場のノリであったりより表層的な快楽目的だったりするのですが、女子はメンタルにずっぽり入り込む恋愛なのです。そしてホストに疑似恋愛をして、自分が漫画の主人公になったような空想と現実の間をさまよう人がいるということではないかと思います。

そりゃ言い過ぎだろう、と思うかもしれません。が、私が言いたいのは私がこのブログでひつこく取り上げてきた少子化問題の本質がそこにある、という点なのです。なぜ子供が少ないのか、ではなくてなぜ恋愛をしないのか、これがそもそものポイントだということです。

この悪循環を断ち切る方法はあるのか、私には正直、わかりません。社会全体にまん延した一種のミーイズムだと思っています。これを修正するのは容易ではないでしょう。社会人としての制御が出来なくなった若者が増えていることに早めにメスを入れないと大変なことになると思います。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年11月23日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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