もちろん、支障が出たら元に戻せばいい。こんな手順を踏めば若手社員も朝礼に意味を見出せる。
若手社員の意見は時に自己中心的かもしれない。しかし会社に染まっていない視点から、酒巻氏のように「ほんとうにその仕事は必要なのか?」という視点とムダをなくす機会を与えてくれる可能性がある。そう考えれば必ずしも迷惑とは限らない。
間違いは直ちに訂正できるある仕事がムダだと気づいても、やめる決断をすることは容易ではない。やめることで生じるリスクを誰も背負いたくないからだ。
やめる恐怖についてドラッカーは以下のように語る。
不必要かつ非生産的な時間が多いことについては、誰もがよく知っている。しかし時間を整理することは恐れる。間違って重要なことを整理してしまうのではないかと恐れる。(ドラッカー名著集1 経営者の条件 ダイヤモンド社 2006)
こうした問題も「一定期間やめてみる」ことで解決可能だ。やめてみれば真にムダかどうか、最小のリスクで判断できるからだ。
同じ会社に何年も勤めていると新鮮な視点がなくなる。もし若手社員から「それって意味あるんですか?」と指摘されたら、頭ごなしに否定せず一定期間その仕事をやめてみてはどうだろうか。
ドラッカーは仕事の整理について「間違いは直ちに訂正できる。整理しすぎればすぐにわかる」と言う。
試す価値はきっとあるはずだ。
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滝川 徹(タスク管理の専門家) 1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に自身が所属する組織の残業を削減した取り組みが全国で表彰される。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。その体験を出版した『気持ちが楽になる働き方 33歳大企業サラリーマン、長時間労働をやめる。』(金風舎)はAmazon1位2部門を獲得。2018年に順天堂大学で講演を行うなど、現在は講演やセミナー活動を中心に個人事業主としても活動している。
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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2023年8月25日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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