ウクライナ問題は同国とロシアの戦いでありますが、実質的には欧米、特にアメリカの後ろ支えがあっての戦いになっています。ゼレンスキー大統領が必死にアメリカに支援を訴えるのはアメリカがその生命維持装置を外せば極めて厳しい状況に陥るのが目に見えているからです。
ところがウクライナ支援に関してはアメリカには二つの「国」があり、その二つの国が双方、一定の妥協をしない限り、支援の道が閉ざされるところまで変化してきました。年初あたりには支援の予算が尽きます。実際には既に費消した予算を通じて武器をウクライナに輸出する分があるので細々とですが春ぐらいまではどうにか戦いらしきことはできると思います。しかし、その後については現状、厳しいと言わざるを得ません。
プーチン大統領はそこが分かっているので綱引きで押しも引きもしない状態を意識的に維持しています。時間がプーチン氏に味方するだろう、そういう判断です。プーチン氏は春にロシア大統領選挙を控えており、国内向けに世論形勢を行い、一応は支援を得なくてはいけません。その戦略とは核兵器など強力な武器を使い、相手をせん滅させるのではなく、ロシア兵は粘り強いのだ、という誇示をするために時間をかけて取っ組み合いを続けることが良策だと考えているのでしょう。飛び道具を使えば世論の反感を買うリスクも計算したかもしれません。個人的にはプーチン氏への支持は驚異的な数字を示すとみています。(もちろんその数字が真の意味か、フェイクかのご判断は皆さまのご想像の通りかと思います。)
また、汚れ仕事は北朝鮮からの労働者に任せる、ぐらいも考えているでしょう。ロシアに行けばお分かりになりますが、白人のロシア人と共にモンゴロイド系人種が非常に多く、北朝鮮の労働者がいても全然違和感がないのがロシアであります。今般、金正恩氏は弾道ミサイルの発射成功に関してロシアの技術支援を受けた恩もあり、また労働者の派遣再開は同国にとって望むところでしょうから同国はロシアとの関係を強化するかと思います。