黒坂岳央です。

ICT教育の一環として、あちこちの学校でタブレットを使うのが普通になった。筆者は保護者として授業参観に出かけるが、その授業でタブレットを活用しているのを見る。たとえば事前に縄跳びや鉄棒などの様子や校内の植物を撮影して発表する、といった活用法である。中学、高校でもさらに発展した活用法を教えるのだろう。

だが本当にタブレットはIT教育になるだろうのか?筆者はタブレットではなく、最初からPCを使う訓練を若いうちから積んだほうが良いと思っている。

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仕事はタブレットではなくPCを使う

社会に出てIT機器を使う場面を考えると、圧倒的にタブレットよりPCの比率が高い。タブレットでも簡単な文章作成や問い合わせ回答は可能だし、営業マンがクライアント先でタブレットを使ってプレゼンをする場合もある。

しかし、肝心の成果物の多くはPCで制作し、タブレットは単にその成果物を映すための実質的なディスプレイになっているケースが多いのではないだろうか。複雑な計算、資料の作り込み、デザインや動画編集、社内のファイル共有、管理システムなどほとんどはPCで処理をする。どの会社のデスクワークでも「仕事のすべてをタブレットだけで完結」は難しいが、PCならあり得る。本質的にタブレットは受信機、PCは創作機という違いは大きい。タブレットに熟練しても消費者から脱してビジネスマンへ転換するのは難しい。

将来、仕事で使うのはタブレットではなくPCである。PCを触らないまま会社で働き始めるのが問題なのでIT教育をしなければいけない、ということだと思うがタブレットの活用はその問題を解決するのだろうか?