1人で歩いているバルガーを見つけた少年たちは、暴行し殺害することを目的にバルガーの手を取って誘拐したのだった。誘拐の瞬間の様子は当日15時42分に監視カメラで捉えられていた。
少年たちはバルガーをショッピングセンターから約400メートル離れた運河に連れて行き暴行を加えて顔に傷を負わせ、さらにウォルトン・パーク墓地に近い鉄道駅近くの線路端まで連れ回してさらに殴る蹴るの暴行を加えて殺害した。検死の結果バルガーの頭蓋骨は10カ所骨折しており、口と肛門に乾電池が押し込められていた。また少年たちがショッピングセンターで万引きした青い絵の具がバルガーの顔に塗りつけられていたのだ。
これだけでは終わらなかった。少年たちはバルガーの遺体を線路に横たわらせて周囲に石を置いて動かないように固定した。その後にやって来た列車によってバルガーの遺体は切断された状態で誘拐から2日後に発見されたのである。
監視カメラの映像に加え、少年2人は当日に学校を休んでいたことや、バルガーを連れ回している様子を複数人が目撃していたことなどもあって、ヴェナブレスとトンプソンはすぐに特定されて逮捕された。
10歳の少年2人による残酷な幼児誘拐殺人事件は世に多大な衝撃を与えた。
少年たちは2人とも数多くの問題を抱える家庭環境に育ち、同じ境遇にあることで意気投合。学校をサボってはショッピングセンターで万引きをしていたという。
裁判の結果、2人は8年間刑務所に収監されることになった。この裁量に対して一部で反発が起こり、加害少年2人を終身刑にするよう求める30万人分の署名が集まっている。
しかし判決に影響を及ぼすことはなく、加害少年2人は18歳になった時点で釈放されることになった。