先代のR1250GSより排気量がアップしているにもかかわらず12kgもの軽量化に成功したことが、その車体の大きさからは考えられないほどの軽快なライディングを可能としてくれている。ただ、そういった物理的な軽量化もさることながら回頭性の良さ、乗っているときの身のこなしの軽さというのは、エンジンの構造改革も相当大きく影響しているだろう。

Rシリーズの大きな特長とも言える『コンパクトドライブシステム』は、既存モデルの場合はエンジン→トランスミッション(クラッチ含む)→シャフトドライブというように、ドライブトレインをすべて一直線の形で納めていた。しかし、このR1300GSではトランスミッションをエンジン下に格納することで、さらにコンパクト化を追求するシステムとなっており、それが運動性能に大きく影響していると思われる。

電子制御ドライブモード&サスペンションで荒れた道でも安心

サスペンションはフロントにテレレバーEVO、リアにパラレバーEVOという新しい世代の足回りを採用。最近のモデルらしく、前後のサスペンションのセッティングがドライブモードと連動して変化するようになっている。また、ダンパーだけではなくプリロードも自動的に調節されるということで、荒れた道を走っていても乗り心地は非常に良く、ライダーアシストがしっかりと機能している。

総括

大柄な車体ながらもさらなる軽量化による取り回しが軽く、加えて電子制御のドライブモードとサスペンションの連動のおかげで軽快かつ安心したライディングが楽しめるR1300GS。足付き性の問題でアドベンチャーモデルを敬遠してきたライダーにこそ、トライして欲しい1台かもしれない。