もっとも、あまり糖分を減らし過ぎると口当たりに変化が生じてしまい、そこは飲料メーカーが良い頃合いを考えるべきとしている。
欧米の「食品表示」の違い
BlueTreeの技術はあくまでも「飲み物から糖分を取り除く」ことであり、新しい添加物は一切投入しない点が魅力だ。
一方で、100%天然ジュースからこの技術を使って糖分を減らした場合、このジュースの食品表示はどうなるのか、という問題がある。このあたりついては、アメリカとEUでは事情が異なる。アメリカでは100%天然ジュースから糖分を取り除いた場合でも「100%ジュース」というラベルを貼ることができるが、EUではそれができないのだ(参考)。
しかし、今後施行される法律「breakfast directives」により、BlueTreeの技術を使った糖分削減飲料は「低糖ジュース」として販売することが可能になるという。
世界各国にライセンス供与を予定
AgFunderNewsによるとBlueTreeは今後この技術を世界中にライセンス供与する予定だという。同社CEOのMichael Gordon氏は、「現在、ラテンアメリカ、東南アジア、ヨーロッパの大手メーカーと交渉中です。(中略)我々は、粗利益の5%以下を請求することを目指しています」
と、語っている。
食品表示に関する法律は各国で異なり、そのあたりをどう乗り越えるかという点で疑問が残るものの、低コストで飲料の糖分削減を実現できる技術は我々の生活にも良い影響をもたらす可能性がある。
(文・澤田 真一)