元本割れリスクはゼロではない

 メガバンク系ファンドマネージャーはいう。

「誤解されがちですが、つみたて投資枠で長期保有したとしても元本割れリスクはゼロではありません。ですが、オルカンかつ長期保有であれば、かなりリスクが低いと考えてよいとは思います。大半の一般の人は本業が忙しく常時株価の動きをチェックして売買することはできないし、プロ投資家と肩を並べるほどの情報を得ることは困難なので、下手に個別株に手を出すのはリスクが高いです。歴史を振り変えると、ブラックマンデーや世界同時多発テロ、リーマンショック、そしてコロナ禍の際には株価が大きく下落しましたが、長期トレンド的にはその後は株価は持ち直して危機前を上回っています。なので、あまり短期的な株価の上下に一喜一憂する必要はなく、数カ月に1回、もしくは年に1回でもよいので自身の保有資産の上下をチェックして、不安があれば信頼できる専門家に相談してみるというかたちでよいでしょう」

 証券アナリストはいう。

「デイトレーダーのように毎日、個別株を売ったり買ったりする人は少ないでしょうし、つみたてNISAであれば比較的長期で保有する前提でやっている人が多いと思われるので、基本的には現在の株価変動を受けて何か特別な対応をする必要はないと思われる。先進各国の株式・債券・リートをバランス良く含んだ投資信託などであれば、10年単位の長期でみれば大きく損をするリスクは低いので、そのまま保有しておいてよいというのが教科書的な行動となる」(24年4月26日付当サイト記事より)