伝説の海洋UMAである人魚のミイラではないかといわれている「フィジー人魚」が初めてCTスキャンで詳しく検査された。その結果や如何に――。
「フランケンシュタインのよう」
“人魚”のミイラという触れ込みで見世物にされた「フィジー人魚」は19世紀半ばにアメリカで展示されて“荒稼ぎ”した後、1880年代初頭に博物館の火災で失われたといわれている。
しかしこの時代にはほかにもいくつかの「フィジー人魚」が存在していたのだ。
その1つが1906年にオハイオ州スプリングフィールドのクラーク郡歴史協会に寄贈されたといわれている「フィジー人魚」のミイラだ。
このミイラは1870年代にアメリカ人船員が日本人から購入したものであるとされ、苦しそうに苦悶する顔、奇妙な歯、大きなかぎ爪、魚のような下半身、そしてうぶ毛のような白髪は、何十年もの間、同協会博物館の訪問者に恐怖とショックを与えてきた。
2003年以降はこのミイラは一般に展示されることなく、収蔵品として保管されていたということだが、再び日の目を見る日がやってきたのだった。
ノーザンケンタッキー大学の放射線学科のチームがこの度、この「フィジー人魚」を最新鋭のスキャン機器を使って詳しい検証を行ったのだ。
クラーク郡歴史協会のナタリー・フリッツ氏は、放射線学科の学生たちに、日常生活からかけ離れた刺激的な謎や挑戦など、新たな学習体験を与えたいと考えたという。
その正体を突き止めるために、こうして初めて「フィジー人魚」がX線解析をCTスキャンを受けたのである。いったいどのような真実が明らかになったのか。
同大学の放射線科医ジョセフ・クレス氏は「外見的には少なくとも3つの異なる種の寄せ集めのように見えます」と英紙「Daily Mail」に語る。
「頭と胴体は猿で、手はワニ、ワニ、トカゲのような両生類のようです。そして魚の尾があります。これも種類は不明です」(クレス氏)
UMAファンには残念ながら、どうやら意図的に作られたものであることが示されることになった。
「それは明らかに作られており、ほとんどフランケンシュタインのようです。ですので、どの部分が組み合わされたのか知りたいと思います」とクレス氏は付け加えた。作られたものであることはわかったものの、その詳しい構造についてはまだまだ分析が必要であるということだ。