■母親の生い立ち

訪問看護師や介護士を頼みたいと伝えても、母親は「他人に私の世話を押し付けたいだけでしょう」とひねくれる。それには、母親の生い立ちも関係しているようだ。

母親は幼い頃に自分勝手な実母に捨てられ、里親に育てられた。その後に実母と再会したが、子供だからといって優先してもらえることはない。愛情をかけられずに育った母親は、捨てられることを極端に恐れて生きてきたのだった。

女性もそれを理解してはいるが、「なぜ父や姉さんに頼らないの」「福祉サービスを利用してほしい」という気持ちは禁じ得ない。母親を助けるため同居し続けてきたせいで、誰もが女性を母親専属のケアラーのように扱うのだ。

■同居解消も視野に

体調悪化と体の痛みに苦しむ母は、「助けて、どうにかしてよ」と大声で怒鳴り散らすが、女性にはどうすることもできない。そこで必死に説得して病院に行かせたが、翌日に帰宅した母親は看護師に対する不満をぶちまけ女性を困らせた。

「もう疲れたよ」と本音を伝えたが、母親は「私のことを憎んでいるのね」と言うばかり。こうなったら家を出るしかない。自分が去れば医療のプロに頼むしかなくなるし、そうなれば自分にはできないケアに期待できる。そう考える一方で罪悪感に苛まれている女性が、ネット掲示板『Reddit』に投稿し、アドバイスを求めた。