ふと思い出したのが今から230年ちょっと前に起きたフランス革命。何時から何時までかというのは研究者によって違うのですが、私は1787年から1799年という広めの期間を支持しています。フランス革命で勝ち取ったのは王政を崩壊させたことですが、この革命の10数年間は国内は異常な事態でありました。私の理解では議会運営が始まったものの、それは形式的で民主化の「孵化期」であり、勝者である政党による独裁で恐怖政治が行われ、民衆が蜂起し虐殺の連続であり、その野蛮さという点では中国の文化大革命に通じるものがあります。英国や日本の歴史でも無謀さ、野蛮さという点では比較対象がほとんどないと思います。
フランスが難しい国であるのは徹底した個人主義の国だからであり、ルールはあってないようなものとまではいわないまでも自由奔放で一体感が醸成されない国だからなのでしょう。
「バラバラになる世界」という点については過去、何度かこのブログで意見させていただきました。個人的にはフランスだけが特異な状況にあるというより現代社会において人々の結束力は歪みがより大きくなり、分裂化する傾向にあるのは世界どこでも同じだろうと感じています。たまたまフランスは極端でわかりやすい道筋を歩んでいるためマクロン氏の苦悩としてとらえることができますが、日本でもそれは本質的にはほぼ同じ状況にあります。
また政権与党に対する風当たりはかつて以上に吹き荒れ、極端な思想を振りかざす人たちも以前にもまして目立つようになっています。日本でもあとひと月もすれば自民党総裁選の話題で盛り上がるはずですが、はっきり断言できることは誰が首相なっても支持率はさほど上がらないし、政権運営はそれ以上に難しくなります。世の中が変質化した、それが私のみる世界で、どの国にもみられる政権運営であり、穏やかな海を航海するような世界ではないことは確かでしょう。
我々はどこに向かうのか、まずはマクロン大統領がお手本を示してくれるでしょう。