ずばりスキルだと思います。外国で売り込める能力は語学よりも特化された技能です。例えば私の支援する訪問介護事業では常時人材募集をしていますが、看護師、ないしそれに準じる経験者が採用の前提になります。理由はそれらの人は医療に対する基礎知識を持っているので仕事の基本がわかるからです。それでも最近は看護師ならだれでもよいというわけではなく、人間性も採用考課になります。そうなると看護師の専門学校卒よりも大学の看護科を出た人の方が総合力で有利な傾向が見て取れます。理由は広範囲な勉学を通じて高いレベルの知的能力と判断力の潜在性があるからかもしれません。

日本で一般企業に漫然と入社するとそこで社畜化されてしまいます。そして最近の大手企業は従業員に雇用形態などで様々な「配慮」をするところが増えています。1970-80年代は「会社の保養所」が入社の動機の一つだったりしました。それがしばらく途絶えたのち、新しい形で社畜化するためのフレキシビリティある働き方というおいしいおやつやデザートを会社が提供します。

そうなると入社して1-2年もすれば皆さんご承知の通り「うちの会社は…」とやるわけです。「うちの会社ってあなたの会社じゃないでしょう」といつも思うのですが、要するに会社と結婚したような状態になるわけです。

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一方、明白なビジョンをもった学生もいます。先日は私立の名門K大学を1年休学してきている方と話をしました。コンサル系の会社に入り、将来は起業をしたいと。いいですねぇ。で、何を?と聞くと「飲食系で」と。あれ?とそこでテンションが下がりました。この学生さんと深く話したわけではないのですが、起業のイメージがないのだと思います。日本の街中でビジネス起業=小売りか飲食というイメージが強すぎるし、それを飛び越えた創造力を求めてもいかんせん経験値がないので何も思い浮かばないのでしょう。