ニューヨークではこれまでにも、その姿に共感が集まった数々のネズミが存在する。2015年の秋にネットに投稿された「ピザラット」は、大きなピザを運ぼうとして失敗する様子が、食べ物のために必死だったり、大きすぎる夢や目標をあきらめたりする自分たちのようだと声があがり、「この暗い時代におけるヒーローだ」とまで賞賛された。
ただしネズミは、ニューヨーク市にとって犯罪やホームレスなどと並ぶ重大な問題で、昨年の目撃報告件数は、コロナ後にピークに達した2021年をわずかに下回る320万件が寄せられた。
先日は、プラットホームで眠っていたホームレスの毛布の中から大量のネズミが飛び出す動画がSNSに投稿され、ニューヨーカーを震撼させた。
麻薬との戦いならぬネズミとの戦いだとして、エリック・アダムス市長は昨年、ネズミ対策専門の行政官「ネズミ取締官」を任命するなど、本格的な害獣駆除に乗り出している。