ニューヨーカーにとって、ネズミが地下鉄のプラットフォームや線路を走り回る姿は日常の光景だ。普段は嫌悪され、忌み嫌われる存在であるが、この度、どこか人間の有り様を連想させる、いじらしい様子がネットにシェアされ、話題になっている。

TikTokユーザー、jimmyjames1027が今週投稿した動画には、下りのエスカレーターを必死に逆走するネズミの様子が撮影されている。下り方向など知る由もない。前進するため、次々と迫ってくる段を乗り越えようと果てしないジャンプを繰り返している。

@jimmyjames1027 #fyp #newyorkcity #subwaycreatures #rat ♬ Rocky (Main Theme) – The Intermezzo Orchestra

この様子に、多くのユーザーは人生を感じ取ったようだ。コメント欄には「シーシュポスは幸福だと想わねばならぬ」「下りのエスカレーターを上るネズミにシーシュポスを思わなければならない」と、ギリシャ神話を用いて不条理を論じたカミユの小説「シーシュポスの神話」の一節を模した投稿や、「ときどき人生ってこうだよね」といったコメントが相次いだ。

このほかに「ニューヨーク版サーモン」「ジム・ラット」といった声、「2024年の職探しのよう」と果てしなく応募し続けなければならない困難な就職活動のメタファーと捉えたユーザーもいる。

無限地獄は無事に終わりを迎えたようで、別のビデオでは、なんとかエスカレーターの頂上に到達する様子が確認できる。