アシュウィン・バサン市保健精神衛生局長は25日の会見で、薬物の使用者や、知人に使用者がいる市民に「ナルカンを携帯するべきだ。オーバードーズの兆候を知り、それらを使用するための訓練を受けるべきだ」と呼びかけた。また1人で薬物を使用するのを避けるほか、使用した場合のリスクなどについて家族と話し合いの場を持つよう求めた。さらにバーや事業所、公共イベントなどの場に「常備すべき」と主張した。

ニューヨーク市ではこれまでにも、オピオイド危機への対応策として、清潔な注射針などを完備した薬物投与施設を設置したり、ナルカンや吸引パイプなどが無料で入手できる自動販売機を設置したりするなどの取り組みを行ってきた。

バサン氏の発言に、スタテンアイランドから選出されたジョー・ボレリ市議会議員(共和党)は、ナルカンは重要だとしつつも、市民に所持をすすめるのは「白旗を振っているようなもの」と述べるなど、根本的な解決策にはならないとの見方を示した。