最新の研究で新型コロナウイルスワクチンから数十億のDNA断片が見つかったことが報告されている。ワクチンの不純物として残存しているこれらの大量のDNAの断片によって接種者はどのような影響を受けるのか――。
■ファイザーの液剤の中に数十億のDNA断片
今年10月にプレプリントサーバー「OSF Preprints」に掲載された研究で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)mRNAワクチンの液剤(バイアル)に数十億個のDNAの断片が残っていることが報告されている。
インドメディア「GreatGameIndia」の記事によれば、この研究の筆頭著者である分子ウイルス学者のデビッド・スパイチャー氏は、今回の研究はこれまでの新型コロナウイルス感染症ワクチンに含まれる残留DNAに関する「最大の研究」であると述べている。
研究チームは12の異なるロットからの27本のmRNAワクチン液剤に含まれる遺伝子物質の配列を分析した。8つの液剤はファイザー製で、残りの19はモデルナ製である。
mRNAワクチンの製造では、コロナウイルス遺伝子が組み込まれたプラスミドと呼ばれる小さなDNA環を大腸菌を使って増殖させ、プラスミドのコピーを大量に作成しているのだが、精製の過程において除去しきれない大腸菌由来のDNA断片が残存するという。
ファイザーの液剤の中に数十億ものコピーされたスパイクDNA、ori(プラスミドの複製起点)、SV40エンハンサーDNAが見つかったことは、それらが効果的に除去されていないことを示している。モデルナの液剤にも同様に大量のoriおよびスパイクDNAが含まれていたが、SV40エンハンサーDNAは発見されなかった。
「これらのワクチンに含まれる何かが実際にヒトゲノムに組み込まれているかどうか、そしてそれがどのような影響を与える可能性があるかを調査するにはさらなる研究が必要です」と研究では言及されている。