■歳を取るほど使う率は上がる?
年齢で言えば、これもまたはっきりと傾向が出ています。基本的に、歳を取るほど公衆便所のシャワートイレは使う率が上がります。
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この辺を見ると、自分のうんこのついたケツと公衆便所の綺麗さに関する相対的な衛生について、無意識に私たちは「あるべき綺麗さ」を考えているんじゃないかと思うんですよね。相対的にケツが汚いのか便所が汚いのかという判断を下したうえで、拭き切れなかったお尻がその後の外出時に感じさせる不快な「拭き切れなかった感」との対比で行動を決めているのです。
今回のアンケートでは残念ながら項目に入れていないのですが、このあたりは「外出時にうんこを漏らしてた事故があるかどうか」や「不潔なトイレ事情の地域に長期旅行・滞在をしたことがあるか」といった、おのれの理性が試される事態に直面して価値観をゆるがせられた経験の有無が、人のトイレ利用での行動に大きな影響を及ぼしているのかもしれません。
何より、歳を取るほど汚ねえトイレでもケツ洗い機を使う率が有意に高まるというのは、真の意味で「人間とは何か」を感じさせます。加齢するほどに人間は謙虚になれる場合があるのだ、ということは、現代社会に生きる私たちへの福音であると同時に、来たるべき未来の明るさであると言えましょう。
■執筆者プロフィール
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Sirabeeでは、切れ味鋭い社会批評で知られる投資家の作家の山本一郎(やまもといちろう)さんの連載コラムを公開しています。ネットで話題となったテーマをアンケート調査データと組み合わせて分析していく連載です。
今回は「Sirabee民に訊く! 日本人の公衆トイレ事情」を掲載しました。
(取材・文/山本一郎)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年1月27日~2023年1月30日
対象:全国10代~60代男女
有効回答数:1000件
提供元・Sirabee
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