また20世紀の世界における宗教家で、宗教衰退の時代に前向きの役割を果たした筆頭は、キリスト教でのキング牧師と仏教の池田氏かもしれない(イスラム社会では誰なのだろうか?カトリックでは19世紀のレオ13世の功績を高く評価したいが20世紀はこれといった人がいない)。
資本主義が暴走し、共産主義が世界の潮流となりかねないなかで、自由社会が宗教を通じて道義性を取り戻すことに貢献することで、共産主義からアメリカや日本を守ったのは大きな功績だ。
池田氏はSGIの活動を通じて、仏教をキリスト教国に広めることにかなりの貢献をしている。もちろん、それは志なかばで終わったが、方向性としては成功したモデルを提供し、イスラムやキリスト教やユダヤ教の際限のない諍いを克服するなかで、打開策を考えるヒントを与えたのは間違いないし、今後の発展に期待したい。
また一部には、これまで成長を続けてきた創価学会や公明党の勢いに陰りがみられるといわれる。その原因はいろいろあるが、池田名誉会長が存命だが大きな方向転換をともなく指示を出すのは難しいという状況が長く続いていたのも原因である。
これからは、後継者たちがここしばらくのやや慎重な路線から、前向きに未来志向で大胆な挑戦をしていくことを期待したい。
余談だが、このニュースを知ったのは、京都市交響楽団のワグナー・コンサートの幕間だった。後半はニーベルンゲンの指輪の抜粋で、最後は、「神々の黄昏」から「ジークフリートの葬送行進曲」と「ブリュンヒルデの自己犠牲」で、感慨深く聞いた。
偉大なる指導者を失った日本最大の宗教団体である創価学会が、次の世代にあっても世界と日本を明るくすることに貢献することを願ってやまない。
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提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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