次に風力発電の発電出力を見てみます。東北電力のみが風力発電の発電出力をwebで公開しています。グラフの横軸は時間、縦軸は電力ですが、単位はMWになっています。データが1時間値なので、グラフのカーブがなめらかなのはそのためです。

風力発電の出力は緑色の線で記載されています。図5は風力発電の出力が1日中安定している日の例。この日は風力発電の出力が安定していて、電力の供給には非常によいように見えます。

図5 風力発電が安定した日のグラフほぼ1日中同じ出力になっている。

しかし、こんな日ばかりではありません、図6のグラフは風力発電がほとんど発電しない日の例です。風力発電は冬場はそれなりに発電しますが、春から秋にかけては図6のグラフのようなパターンが多くなります。

図6 風力発電の出力がほとんどない日のグラフ春~秋にかけては、このような日が多い。

それでも、太陽光よりは風力の方がまだましだということを、経産省もようやく気がついてきて、最近は太陽光よりも風力、それも人の住んでいるところから離れたところに立地できる洋上風力に頼るようになってきています。

洋上風力も景観など様々な問題があり、再エネ事業はいずれ行き詰ると思われます。今のうちに再エネに見切りをつけて、高効率な火力発電、既存の原子力発電の有効活用をなかるべきでしょう。

尾瀬原 清冽 1966年生まれ。1990年電力会社に入社。給電部門、情報通信部門で勤務。電力の需給運用業務や自動給電システムの設計、新規発電事業者の出力抑制システムの設計などに従事。