しかし一方で、有機化合物は微生物の活動だけでなく、生物の力を借りない化学的プロセスでも作られることがあると研究者は指摘します。

そのため、現段階での証拠だけを見て「火星に生命がいた!」と断言することはできません。

それにはパーサヴィアランスが採取した岩石サンプルを地球に持ち帰り、直接精査する必要があるといいます。

今のところ、パーサヴィアランスが集めた試料を地球に持ち帰る計画は、NASAと欧州宇宙機関(ESA)の協力のもと、2030年代に実施される予定です。

それまではまたパーサヴィアランスの孤独な探索が続けられるでしょう。

火星がかつて水の惑星であったことを考えれば、火星になんらかの生命の痕跡があっても不思議はありません。もしこの試料が地球に持ち帰られ、確かに生命の痕跡であったと認められれば、この発見が人類史上初の地球外生命との出会いになります。

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参考文献

NASA’s Perseverance Rover Scientists Find Intriguing Mars Rock
https://www.nasa.gov/missions/mars-2020-perseverance/perseverance-rover/nasas-perseverance-rover-scientists-find-intriguing-mars-rock/

NASA Mars rover finds ‘first compelling detection’ of potential fossilized life on the Red Planet
https://www.livescience.com/space/mars/nasa-mars-rover-finds-first-compelling-detection-of-potential-fossilized-life-on-the-red-planet