かつては「鉄板」といわれた弁護士も、今では状況が違います。

弁護士は司法試験合格後、弁護士事務所に就職し、いわゆる「イソ弁(居候弁護士)」を経て独立開業するというのがセオリーでしたが、司法改革によって弁護士人口は増え、最難関といわれる資格に合格しても、就職すらできない状況になってきているのです。

「今後、資格は取っただけでは食べていけない」といわれるようになってから、それでもしばらくは資格の力で仕事を取ることはできました。特に難易度が高い試験の資格はそれなりに食べていけたという経緯があります。しかしながら、資格者人口の増加、法人数の減少、不景気の影響などによって、本当に難関資格を取っただけでは食べていけない時代になったといえます。

つまり、今後資格を取ろうと検討している場合、難易度だけで資格を選択することは非常に危険だといえます。ですから「難関資格=高収入」というイメージは早めに手放しておくべきでしょう。

そして、それ以上に重要なのが、あなた自身が何をやりたいかということです。

一般的にスキルアップ、あるいは独立起業する前に「手に職を」ということで資格を取る方は非常に多いですが、この資格の選択方法はちょっと考えものです。なぜなら、この選択は自分自身のやりたいことと直結しているとは限らず、難易度や受験要件などの取りやすさにフォーカスして選んでしまうことが非常に多いからです。

もちろんスキルアップは重要ですが、「資格を取ること」が目的となり、最終的にやりたいことに直結しているかどうかを考えずに資格を取ることのないように気をつけたいものです。

収入が多い人ほど、資格にこだわっていない

では実際に収入が多い人は、どのような資格で成功しているのかといえば、「どの資格でも高収入を得ている」というのが答えです。行政書士でも、社会保険労務士でも、税理士でもそれぞれのやり方で高収入を得ている人は多数存在します。