バイクは基本的にライダー1人で運転する乗り物で、バイクとの1対1の対話が楽しめます。
バイクの状態を知るための計器のひとつにタコメーターがありますが、今回はバイクのタコメーターおよびタコメーターの後付け方法についてもご紹介します。
バイクのタコメーターの役割とは
タコメーターはバイクや自動車のエンジンの回転数を表示するための計器で、ギリシャ語で速度を意味する「TAXOS(タコス)」が語源と言われています。
タコメーターはバイクの速度を示すスピードメーターの横に配置されていることが多く、バイクの走行時のエンジンクランクシャフトの回転数を1分間あたりの回転数(rpm)で表示します。
エンジン回転数が高ければ高いほどエンジンが高速で動作している証であり、タコメーターには「レッドゾーン」と呼ばれるエンジンの回転数の限界も表示されています。
このレッドゾーンを超えるとエンジンに大きな負荷がかかり、最悪の場合破損や故障に繋がります。
タコメーターは走行中のエンジン回転数を把握することで、シフトアップのタイミングを計ったり、高速走行中などにレッドゾーンに入らないようにコントロールするものとなります。
タコメーターはスピードメーターのように装着が義務付けられているメーターではないものの、スポーティなイメージを与えるアイコンにもなっており、ユーザーの満足感やバイクの魅力を引きたてる要素にもなっています。
そのため、タコメーターが装備されていないバイクにも後付けで取り付けるユーザーがいるため、後付け用のタコメーターなども販売されています。
タコメーターの仕組みをチェック!
タコメーターは大別して2種類の作動方式があり、機械式か電気式かによって後付けの可否も決まってきます。
機械式タコメーター
最もオーソドックスで昔から使用されている方式が機械式タコメーターで、低コストでシンプルな構造のタコメーターとなります。
機械式タコメーターはエンジンのクランクシャフトの回転数を直接読み取る方式で、エンジン内部のカムシャフトから歯車で回転を取り出し、その後ワイヤーでハンドル部分のタコメーターに伝達されます。
毎分何千回転もするエンジン回転数を直接ワイヤーに伝えると大きな負荷がかかってしまうため、歯車装置で減速されてからワイヤーに伝達し、その後タコメーターの計器内で再度エンジン回転数に変換して表示されます。
機械式タコメーターはシンプルな機械構造で伝達されるため、昔は機械式タコメーターがメインでした。
しかし今では現在ではエンジン自体が年々電子制御化されて電気的に回転数を取り出しやすくなったため、後述する電気式タコメーターが主流になっています。
また、タコメーターの後付けをする場合、機械式のタコメーターはエンジン本体に回転を取り出す機構が必要になりますが、完成しているエンジンに後からその機構を装着するのは難易度が高いです。
そのためタコメーターの後付けに関しては圧倒的に電気式タコメーターが有利ですが、元々機械式タコメーターが標準装備されている車種であれば別の機械式タコメーターに交換することは可能です。
電気式タコメーター
電気式タコメーターはエンジン回転数を何らかの電気信号として取り出し、それを電気的にタコメーターに伝えて表示する方式です。
エンジンは回転に伴って内部のさまざまな機器が連動して作動するのですが、電気式タコメーターの信号を取り出すオーソドックスな方式として「イグニッションコイル」を利用します。
イグニッションコイルはエンジンの点火用高電圧を生み出す装置で、エンジンの点火タイミングでイグニッションコイルが作動するので、その電圧の変化を読み取ることで回転数に変換することができるのです。
また近年ではバイクのエンジンも電子制御式がメインとなっていてエンジンの制御がECUというコンピューターで制御されますので、ECU内部の回転数や制御情報を元にした回転数がタコメーターに表示されるようになっています。
タコメーターの後付けについては電気式タコメーターのほうが取り付けやすくなっており、昔からある方式はイグニッションコイルに配線をつなげたり、プラグコードにセンサーになるタコメーターのコードを巻き付けて計測する方式でした。
近年では電子制御化された点火装置(CDI)から直接信号を取り出す方法が一般的になってきており、社外パーツとして電気式タコメーター取り付け用に専用のCDIなども販売されています。